【講演内容】
日本人の果物摂取量は、世界174カ国中129位!世界平均よりも、アジア平均よりもさらに低い状況です。
これは「果物の位置付けの違い」による影響が大きいと推測しています。海外での果物は日本の野菜と同じ位置付けであるのに対し、日本の果物は「食後のデザート」という嗜好品扱いです。家計調査によると、デザートの中でも果物は特に低い支出になっています。これは食の多様化や個食化の影響が、強く表れていそうです。
しかし、果物の摂取が健康維持増進に対してさまざまな良い影響を与えているというのも事実。だからこそ、こうした現状を踏まえ、国では健康日本21、食生活指針、食事バランスガイドを通じて、果物を積極的に食べることを推奨しています。
そのためには、果物を嗜好品やデザートというポジションではなく、毎日の食事に欠かせないものとして位置付け、日々利用することが必要です。
ところが「野菜は350gそのうち緑黄色野菜は120g」と野菜の摂取は具体的に提示しているのに対し、果物は「1日200g」だけ。果物の質は問われていません。超高齢社会の我が国では、「新型栄養失調」と呼ばれる低栄養の問題があります。食事量が減る高齢者の場合は「何を食べるか」という、食事の質が問われている時代。果物の摂取にも、質が重要です。
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