【講演内容】
この図は果物の栄養素の凝縮具合を示したものです。
栄養素充足率スコアとは、果物の重量100g(可食部)に含まれる17種類の栄養素の、「日本人の食事摂取基準 2015年度版」における1日当たりの摂取基準(30~49歳女性での推奨量、目標量、目安量)に対する割合を算出し、その平均値をとったものです。
※17種類の栄養素:たんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、亜鉛、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビタミンA、ビタミンE
これによると、日本人がよく食べているバナナやミカンよりもキウイの充足率が優れていることがわかります。例えばりんごとキウイを比較すると、グリーンキウイ(緑肉種)の栄養素充足率スコアはりんごの5倍。またゴールドキウイ(黄肉種)の場合、ビタミンC含有量が多いため、栄養素充足率スコアはりんごの7.5倍になります。
栄養素充足率スコアが高いということは、果物に含まれている天然由来のビタミンやミネラルがバランスよく摂れる果物であること意味します。これが、キウイが「高栄養密度フルーツ」「スーパーフルーツ」と言われてマスコミなどでも多く取り上げられる理由です。
中でもキウイを特徴づける栄養素は、「食物繊維、ビタミンC、カリウム、葉酸、ビタミンE」の5つです。
特にグリーンキウイ(緑肉種)1個には、バナナ約3本分の食物繊維が含まれています。
食事摂取基準では食物繊維の目標量を男性20g以上、女性18g以上に定めていますが、現状は14.2g。目標量に達していない状態です。
野菜だけではなく、果物や穀類から食物繊維を摂取することで、目標量に近づけることができます。しかも、キウイフルーツの食物繊維は保水容量がとても高く、1gの食物繊維が水分を吸って12~13倍近くに膨らむようです。満腹感も感じられ、食べ過ぎも抑制してくれそうですね。
またゴールドキウイ(黄肉種)1個にはレモン(果汁換算)8個分のビタミンCが含まれており、果物の中ではトップクラスです。
さらにビタミンEも同時に摂取できるなど、キウイはバランスよくさまざまな栄養素を含んでいます。例えばアスリートのように、たくさんの量を食べずにバランスよく栄養素を摂らなければならない人、また効率よく栄養素を摂取する必要がある高齢者にも適した果物と言えそうです。