運動量算出について

METS×運動時間=エクササイズ
エネルギー消費量=体重×エクササイズ

※METS(metabolic equivalents)はトレーニングなどの身体運動時の代謝量が、安静時の何倍に相当するのかを示す尺度で、一言でいうと「運動強度」のことです。

※メッツ・時とは、運動強度の指数であるメッツに運動時間(hr)を乗じたものである。
メッツ(MET: metabolic equivalent)とは、身体活動におけるエネルギー消費量を座位安静時代謝量(酸素摂取量で約3.5ml/kg/分に相当)で除したものである。
酸素1.0リットルの消費を約5.0kcalのエネルギー消費と換算すると、1.0メッツ・時は体重70kgの場合は70kcal、60kgの場合は60kcalとなる。
このように標準的な体格の場合、1.0メッツ・時は体重とほぼ同じエネルギー消費量となるため、メッツ・時が身体活動量を定量化する場合によく用いられる。旧基準及び旧指針では、kcalで表したエネルギー消費量を算出するために、メッツ・時と体重(kg)と1.05の係数の積を用いていたが、アメリカスポーツ医学会を中心に、近年では計算の煩雑さを無くすために1.05の係数を用いないで算出して良いとされている。


血糖・血圧・脂質に
関する状況
身体活動
(=生活活動+運動)
運動 体力
(うち全身持久力)
健診結果が基準範囲内 65歳以上 強度を問わず、身体活動を
毎日40分(=10メッツ・時/週)
今より少しでも増やす 運動習慣をもつようにする
18~64歳 3メッツ以上の強度の身体活動を
(歩行又はそれと同等以上)
毎日60分(=23メッツ・時/週)
性・年代別に示した強度 での運動を約3分継続可
18歳未満
【参考】 幼児期運動指針:「毎日60分以上、 楽しく体を動かすことが望ましい」
血糖・血圧・脂質の いずれかが 保健指導レベルの者 医療機関にかかっておらず、「身体活動のリスクに関するスクリーニングシート」でリスクがないことを確認できれば、対象 者が運動開始前・実施中に自ら体調確認ができるよう支援した上で、保健指導の一環としての運動指導を積極的に行う。
リスク重複者
又は受診勧奨者
生活習慣病患者が積極的に運動をする際には、安全面での配慮が特に重要になるので、かかりつけの医師に相談する。
「3メッツ」以上の運動(身体活動量の目標の計算に含むもの)
メッツ 3メッツ以上の生活活動の例
3.0 普通歩行(平地、67m/分、犬を連れて)、電動アシスト付き自転車に乗る、家財道具の片付け、子ども の世話(立位)、台所の手伝い、大工仕事、梱包、ギター演奏(立位)
3.3 カーペット掃き、フロア掃き、掃除機、電気関係の仕事:配線工事、身体の動きを伴うスポーツ観戦
3.5 歩行(平地、75~85m/分、ほどほどの速さ、散歩など)、楽に自転車に乗る(8.9km/時)、階段を下りる、 軽い荷物運び、車の荷物の積み下ろし、荷づくり、モップがけ、床磨き、風呂掃除、庭の草むしり、子ど もと遊ぶ(歩く/走る、中強度)、車椅子を押す、釣り(全般) 、スクーター(原付)・オートバイの運転
4.0 自転車に乗る(≒16km/時未満、通勤)、階段を上る(ゆっくり)、動物と遊ぶ(歩く/走る、中強度)、高齢 者や障がい者の介護(身支度、風呂、ベッドの乗り降り)、屋根の雪下ろし
4.3 やや速歩(平地、やや速めに=93m/分)、苗木の植栽、農作業(家畜に餌を与える)
4.5 耕作、家の修繕
5.0 かなり速歩(平地、速く=107m/分))、動物と遊ぶ(歩く/走る、活発に)
5.5 シャベルで土や泥をすくう
5.8 子どもと遊ぶ(歩く/走る、活発に)、家具・家財道具の移動・運搬
6.0 スコップで雪かきをする
7.8 農作業(干し草をまとめる、納屋の掃除)
8.0 運搬(重い荷物)
8.3 荷物を上の階へ運ぶ
8.8 階段を上る(速く)

「3メッツ」未満の身体活動(身体活動量の目標の計算に含めないもの)
メッツ 3メッツ未満の生活活動の例
1.8 立位(会話、電話、読書)、皿洗い
2.0/td> ゆっくりした歩行(平地、非常に遅い=53m/分未満、散歩または家の中)、料理や食材の準備(立位、 座位)、洗濯、子どもを抱えながら立つ、洗車・ワックスがけ
2.2/td> 子どもと遊ぶ(座位、軽度)
2.3/td> ガーデニング(コンテナを使用する)、動物の世話、ピアノの演奏
2.5/td> 植物への水やり、子どもの世話、仕立て作業
2.8/td> ゆっくりした歩行(平地、遅い=53m/分)、子ども・動物と遊ぶ(立位、軽度)