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『むし養い』ですが。

第6回 こんな栄養士は大キライ!? 〜栄養指導うける側の心理


横田 久美
管理栄養士。
大学院修了後、広告代理店を経て、現在は行政機関にて、食の安全に関するイベント等を担当。



 栄養指導受診体験は豊富です

 私はデブです。私のプロフィール写真をご覧頂けば、おわかりになると思います。管理栄養士の資格は持っていますが、小学校高学年位からの「筋金入り」のデブです。標準体重になったことは一度もありません。こう言いますと、自慢しているかのようですが、一応太っていることを気にはします。それなりに栄養学も勉強してきましたので、肥満が悪いことも理解しています。それゆえに、資格は持っていますが、「栄養士」と職業欄に書けるような仕事に就いたこともありませんし、就こうと考えたこともありません。

 ただ、栄養指導を「受ける側」の経験は、恐らく栄養士として働いていらっしゃる皆さんよりも、かなり豊富なのではないかと思います。このことをサイトの運営の方にお話したことがあり、「その体験、聞きたいです」と言ってくださいました。そこで今回は、「特定健診」もスタートしたところですので、「食品の安全」とは関係ないのですが、“デブの栄養士資格保有者”からみた、「こんな栄養士さんや栄養指導は大キライ」という、勝手極まりない、わがままな体験を書かせていただきます。


 受診する側の勝手な言い分ですが

 一番最初に受けた、1対1の栄養指導は、大学生の時でした。大学入学後、初めての健康診断後、学生課の掲示板に「呼び出し」が貼られ、焦って保健室に行きました。新入生なのに、掲示板に貼りだされたことに驚かされたこともありますが、もっとびっくりしたのは、私の健診結果の用紙に大きく「マルヒ」とマークされていたことです。「マル秘」ではありません。「マル肥」でした。それを見て、一応当時は青春真っ只中の乙女だった私は、かなりショックでした。せめて、用紙を伏せておいて欲しかったです。大学側としては、栄養士として世に送り出すのに、今のような肥満体では、就職は無理である、気持ちを引き締め、がんばりなさいという、ある種の「親心」だったのだろうと思います。事実、「今のままの体型では、栄養士として就職はできません」とストレートにその時に言われました。そのストレートさが、かえって私の反発心を起こしました。その場では「はい」「はい」と返事だけをし、早くこの時間が終わらないかなと、そんなことばかり思いました。そして、部屋を出た時には、「それなら栄養士になんてならない!」と心に固く誓ったのでした。つまり、問題のすりかえです。やせるという話を私は、「栄養士にならない」という方法で回避してしまったのです。

 栄養指導を受ける側として、いつも不思議に思うことがあります。体に触れるといった医療行為はないのに、何故、栄養士さんは白衣を着ているのだろうかと。私が、数々「受けさせられてきた」栄養指導で、白衣を着ていなかった方は、一人いたか、いないかです。

 肥満は万病の素ですから、自分の体が悪いことは事実なのですが、デブのおそらく大半は、「デブで何が悪い」と心のどこかで思っています。ですから、白衣姿は威圧されているかのような感じを受けます。加えて、私が女性だから、特にそう思うのかもしれませんが、大変みじめな気持ちにもなります。白衣をピシッと着て、スラッとした細身の栄養士さんに会うだけで、「こいつデブだな」と思われているだろうな、そんなに細身なら、今まで何の苦労も無かったでしょうねと勝手にどんどんと自分の中にストーリーを作っていってしまうのです。そうなると、栄養士さんの言っていることは全くもって正しいことなのに、全然聞く気になれないのです。

 このように、栄養指導される側は、隙あらば、自分の現実から逃避しようとします。栄養指導を日々されている皆さんからみたら、理不尽な、勝手な言い分とお感じになられると思います。しかし、指導をうける側なんて、所詮、こんな程度の意識である(者もいる)という現実を知っていただけたらと思います。

 実は、こんな私でも、過去にある栄養士さんのおかげで、20kg減量に成功したことがあります。また、(お許しいただけるようでしたら、)その事は、別の機会に書かせていただけたらと思います。


 今回の、むし養い

 友人たちが、誕生日にプレゼントしてくれました弁当箱を紹介します。容量600mlの弁当箱です。主食・主菜・副菜を3:1:2で詰めると、ほぼ600キロカロリーになります。社会人になって以来、ずっとランチは外食でしたが、最近はこの弁当箱に詰めて、公園などで食べることもあります。


横田 久美(よこた くみ)

 管理栄養士。女子栄養大学、女子栄養大学大学院栄養学修士課程修了後、広告代理店に入社。 食品を中心に、広告や政府広報等のマーケティングやプランニングを担当。その後、行政機関の非常勤として、食品の安全性に関するリスクコミュニケーション部門で、各種イベントやDVD制作などに携わる。学生時代からの興味対象であり、修士論文のテーマでもあった「食情報と人との関わり」について、これからも考えていきたい。




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