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『むし養い』ですが。

第2回 もう一度考えたい〜100%安全な食品はないということ


横田 久美
管理栄養士。
大学院修了後、広告代理店を経て、現在は行政機関にて、食の安全に関するイベント等を担当。



 悩んで、迷った今回のコラムテーマ

 まずは、“中国産冷凍ギョウザが原因と疑われる健康被害”において、被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。そして、回収対象商品について、未だお持ちの方々がいらっしゃいましたら、絶対に食べずに、回収にご協力ください。よろしくお願い致します。

 「次回は、予定を変更して、今話題の中国産冷凍ギョウザについて書いて欲しい」と、このサイトの運営担当者から言われました。正直なところ、今の段階(2008年2月7日)で書くことに、私自身は抵抗感を持ちました。このコラムを読まれる方々が、この件に関して、どのような情報を求めているのか、全く整理できていない状態でしたし、警察による捜査「事件」という側面を持つ、デリケートなテーマであることもその理由です。書くか、書くとしたら何を書くか、迷いましたが、今現在、私が強く感じている点について、書かせていただこうと決めました。


 「冷凍ギョウザって、ずいぶん遠方で作られて、
  時間がかかって日本にやってくるんですね」

 あるテレビ番組に寄せられた20代の視聴者の女性のコメントです。このように、毎日の暮らしの中で改まって考えることのなかった「安くて、おいしい食べ物が溢れかえる日本の食生活」の裏側にある、複雑で多面的な現実や課題を突きつけられたのが、今回の「事件」なのかもしれません。日本の食料自給率の低さ、その一方でいつでも便利に食べられる豊富な食品。日中関係や世界的な食糧争奪戦時代の到来、輸入食品の是非、農薬の規制、検疫体制のあり方、加工食品の安全性確保の方法、危機管理、企業倫理、経済活動に及ぼす影響、安全とコストの関係、情報提供や情報公開の難しさ、マスコミの報道の仕方など、思いつく限りでも実にさまざまな課題を投げかけています。

 このコラムの第1回目に「100%安全な食品は、ない」と書きました。人為的であれ、そうでなくても、様々な安全性確保の取り組みが行われていても、多かれ少なかれ、リスクはつきものであることを、今回の「事件」から、私自身は、最も強く感じました。「安全でないものは全て危険(悪)」というリスクの捉え方では、様々な課題をさらにブラックボックスにしてしまうことになるかもしれません。リスクの存在に向き合い、その中から次なるリスクを予測し、対策を行っていく、その事が重要なことではないかと、改めて考えさせられました。


 マスコミ以外の情報源も持つ

 こういった「事件」が起きた時に、食に関わる専門家の皆様には、マスコミ以外の情報源も持たれることをお勧めします。その情報源として、手前味噌になりますが、行政関係のメールマガジンをとられることもひとつかと思います。情報のスピードや見せ方などは、マスコミにはまだまだ及びませんが、憶測や噂の段階で作られることはないため、現状を把握することはできます。食品の安全性に関連したメールマガジンとしては、食品安全委員会のメルマガや独立行政法人農林水産消費安全技術センターの「食の情報交流ひろばメールマガジン」などが無料で発行されています。この機会に、登録をされてはいかがでしょうか。

食品安全委員会メルマガ
http://www.fsc.go.jp/sonota/e-mailmagazine.html

独立行政法人農林水産消費安全技術センターメールマガジン
http://www.famic.go.jp/mail_magazine/stand.html


 今回の、むし養い

大分県に出張に行きました。もちろん、「関さば」や「関あじ」、「だんご汁」など、大分県の味を堪能いたしましたが、中でも印象的だったのが、「きらすまめし」という大分の臼杵の辺りの郷土料理です。「きらす」はおから、「まめし」はまぶすという意味だそうで、さばやアジ等、魚はなんでも言いそうですが、刺身を酢の味がきいたおからで和えている料理です。ユニークな音のネーミングも気に入りましたし、あっさりとしていて、食べやすく、何より食材を無駄なくおいしく頂くという気持ちが伝わる、そんな料理でした。



横田 久美(よこた くみ)

 管理栄養士。女子栄養大学、女子栄養大学大学院栄養学修士課程修了後、広告代理店に入社。 食品を中心に、広告や政府広報等のマーケティングやプランニングを担当。その後、行政機関の非常勤として、食品の安全性に関するリスクコミュニケーション部門で、各種イベントやDVD制作などに携わる。学生時代からの興味対象であり、修士論文のテーマでもあった「食情報と人との関わり」について、これからも考えていきたい。




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第2回 もう一度考えたい〜100%安全な食品はないということ
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