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大学病院に勤める管理栄養士の日常 。 食環境について ![]()
平成20年度4月から、医療保険者には健診・保健指導が義務付けられました。医療保険者が健診・保険指導を効果的に実施するための、標準的なプログラムの作成が各関係部署においてなされております。これまでの保健所・市町村といった公的健康増進活動から、主体を民間指導に転換した、管理栄養士・栄養士にとっても開かれた行動改革期となっています。
管理栄養士・栄養士に期待されている技術・能力について考えてみましょう。具体的に対象者の健診結果を読み取ること。信頼関係を構築しアセスメントをおこなうこと。生活習慣関連についてわかりやすく説明をおこなうこと。さらに、そのためのツール開発などをおこなうこと。対象者の心の準備期に合わせた個人面談を中心に、セルフエフィカシー向上のための、継続的支援・企画・立案・評価ができ実績を上げることなどが挙げられると思います。 さてキーパーソンである我々管理栄養士・栄養士にとって、今後如何に高いレベルでのスキルアップが必要となるであろうかと考えたとき、“今はとりあえずの域”を感じるのは私だけでしょうか? 対象者の健診データを読み解き、アセスメント結果から代謝内分泌についての説明、生活習慣から対象者の状況に応じた行動変容に至る支援のためのあり方など、その内容はさまざまにあります。 管理栄養士・栄養士は対象者の支援のため、個体レベルでの万能を求められます。例えば、時として個人のdiet historyを把握し、個人の持つ食事特性の把握分析に努めること、食のコンデショニング調整など。日進月歩で技術向上(専門化や細分化も含め)が進む医学には、相当の知識と技術習得を必要とします。求められる期待に応えるため、我々管理栄養士にも、限られた時間の多くをそれらの把握や理解などに費やすことが更に必要でしょう。 昔から人間は、理に適った単純明快な「食」を中心とした循環を、古今東西作り上げてきました。天高く・人間肥ゆる秋――秋に溜め込んで楽しみながら過ごし、冬に体外に排泄され、春から初夏までに暑さに備える準備をする。眠っていた体を目覚めさせるため、苦味やえぐみを持っている春野菜をとって刺激となす。食事は「見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる」という感覚や、味覚での「苦味、酸味、塩味、辛味」などをもとになりたっています。これらに対する快感や不快感、ゆったり寛ぐか否かということが加わって、食事が「美味い」「不味い」となります。 結果、ホルモン分泌や神経作用に結びついている身体のメカニズムが構成されている。これはまさに、天が人に与えた自然のセルフエフィカシーといえるかもしれません。 残念ながら、文化的・社会的な制約制限・ストレス社会に生きる現代人は時にして、体が欲するメッセージや信号・条件を、「まろやかさ・食べやすい食事提供」や「快適感」に置き換え、身を守る健康情報から安心感の代替を、サプリメントという形に求めてしまう人が多く、それはまだ良い方で、体内悲鳴に耳を傾けず、五感の働きが鈍くなり、結果循環動態が停滞した状態となり、そのため潜在的な過剰や偏ったための欠乏状態が、自律神経の編重として現れていることが少なくありません。このことはメタボリック症候群に代表されるように、年々増え続けている生活習慣病(動尿病・高血圧・動脈硬化・脂質異常症…)特に糖尿病に関しては、その予備軍を合わせると40歳の3人に1人は糖尿病とまで言われている現状からも、よみとれるものだと考えます。日夜、我われ医療分野の管理栄養士・栄養士はただ無駄な時間・いい加減な時間を過ごしてきたわけでなく、集団・個人・講演に奔走してきた訳ですが、その割には患者が納得し行動変容するまでの動機づけとはならない場合も少なくありません。 管理栄養士・栄養士に期待される、「個体・人をみること」の難しさを痛感する毎日です。 現在当筑波大学附属病院病態栄養部は、栄養士の責任範囲である「患者を人間として認識し、人体の栄養状態を見る」ための「栄養士の受け入れ研修」等に取組んでおりますが、昔ながらの人間本来の食行動、「天高く人間肥ゆる秋」「春野菜をとって刺激をなす」このような単純明快な循環を、音楽や感動するコンテンツや香しい香りに置き換え、舌の五感を鍛え楽しむこと、日常の対象者の買いまわり行動、スーパーの棚割陳列、販促計画までを分析し対象者の身近に入ることが、案外管理栄養士・栄養士に期待されていることへの近道ではないかと感じるのは、職務怠慢な私だからでしょうか?
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