|
大学病院に勤める管理栄養士の日常 。 検査値の感覚 ![]()
私たち管理栄養士にとって、患者様の状態を推し量る指標である血液生科学検査。今回はその話をしてみたいと思います。
総蛋白、アルブミン、赤血球、白血球、ビリルビン、AST、ALT、PLT、ヘモグロビンA1C、随時血糖値、腫瘍マーカー… 対象者の状態を知るために、よく血液性化学検査の結果を参照します。もちろんこれらには正常範囲という幅があり、それらから外れた異常値がある訳なのですが、急性期医療施設では普段まず見ることのないような状態(数値)で入院、あるいは受診される方も少なくありません。
例えばヘモグロビンA1C ヘモグロビンとグルコースが結合した割合を表したもので、過去1ヶ月程度の平均的な血糖の状態を知るための指標に用います。大方の正常範囲は4.3〜5.8%。6.5%以上であれば1回の検査でも糖尿病と診断され、8%前後になってくると経口血糖降下剤の服用や教育入院の話もあがったりします。10%を超える状態だと、即入院というケースもあったりしますが、それらを遥かに超える14%や17%という検査結果で入院されてくる患者様もいます。何かの見間違いか?とも思えるのですが、やはり口渇感などの自覚症状ももっておられたりします。 例えばCRP(C-reactive protein) 特定の疾患の診断ではなく体内の炎症状態をあらわすのに用いたりする指標で、比較的早いスパンで変動します。通常の正常値は(測定法にもよりますが)0.2〜0.3mg/dl前後以下。風邪程度の炎症だと1.0mg/dlまで上昇し、肺炎程度だと4〜5.0mg/dl程度まで上昇したりします。重症感染症などでは、2桁を超えるケースもあります。しかし、中には26mg/dlというびっくりするほどの状態で入院される方もいます(その患者様は褥瘡から感染が重症化した状態で入院されていました)。しかも、入院されるまで食事も摂られていたり、入院してからも食欲もあったりします。さて、この検査結果を踏まえて患者様に提供する食事内容や状態などを指導時、訪問時に説明するのですが、同じ異常値でもその差異の程度を伝えるのは中々難しいことです。例えばヘモグロビンA1Cの8.0%と10%。どちらも基準より高い値には変わりありませんが、同じ高いでもどれくらい高いのか。例えば、紙にグラフを書いて説明する方法もあるでしょう。デジタルで表現されたコンテンツを使って説明する方法もあるでしょう。はたまた、自身で操作してもらいながら体験してもらうという方法もあると思います。患者様の数だけ背景があり、指導の数だけスタンスがある。これからも、その感覚を伝えるための「表現の引き出し」を増やしていきたいと思う今日この頃です。病識や食事療法のコンプライアンスを得るための一つの手段でもあるでしょうから。 ちなみに写真は昨年、とある自動車ショーに行ったときの写真です。平日にも関わらずものすごい来場者数で、あまりゆっくりとは見られなかったのですが、とっても魅力的な車ばかりでした。でも、見られるのは車ばかりではありません。ダンスや、プロモーション映像などあらゆる表現方法でコンセプトモデルやニューモデルをアピールしている。こんな表現方法もあるのだなと、車を見がてらそんなことも思って帰ってきました。
|
|