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シネマの食卓から。 食のドキュメンタリー映画 ![]()
前回に引き続き、食をメインテーマにした映画です。今回はドキュメンタリー映画を。食について描いたドキュメンタリー映画って、実は数多くあるのです。しかし商業ベースに乗りにくいため、特別な映画祭や自主上映などで上映されることが多く、気になる作品があってもなかなか見る機会がないのが、残念なところです。今回はそのような中で、話題となりDVD化されたため、比較的手軽に見られるものをご紹介します。
■“メガ”流行りの今、改めて・・・。『スーパー・サイズ・ミー』(アメリカ 2004年) 監督自らが、30日間、ハンバーガーなどファストフードだけで生活をし、体をはって健康の害を立証してみせた、有名な作品です。やや扇状的で、データの扱いなどが大雑把な感はありますが、食育に関係する方にはぜひおすすめしたい作品です。監督は、もともと健康的な食生活をしており、スタイルもよく、医師も認める健康体。それが、1日3食マクドナルド生活になってから、最終的に体重は11kg増、血液の数値は医師の予想以上に悪化。さらに怖いのは、最初は嫌々食べていた監督がやがてこういった食事を積極的に求めるようになり、逆に食べないと倦怠感や頭痛を覚える、いわば中毒症状に陥ったことです。 上映当時、アメリカで大変な反響を呼び、マクドナルドは、スーパーサイズを廃止すると同時に健康的なメニューを取り入れていくことを宣言しました。そんな社会現象にまでなった映画です。ただ、「のど元過ぎれば……」で、昨今、日本では“スーパーサイズ”ならぬ、“メガ”流行り。今改めて見てみたい映画かもしれません。 ■ワインの味が画一化している!? 『モンドヴィーノ』(フランス・アメリカ 2004年) ワインの価値はどうやって決まるのか、業界のタブーともいえる謎に鋭く切り込んだ作品です。映画が明らかにするのは、大きな影響力を持つワイン評論家が好む味にしようと、多くの企業やワイナリーが醸造家にコンサルタントを依頼し、結果、味が画一化してきているという現状。一方で、昔ながらのテロワール(地の味)をたいせつにしようと、奮闘するワイナリーの姿も描かれます。グローバリーション対ローカリゼーションという現代の縮図が、実は1杯のワインにも込められているのです。上映当時、ワイン関係者に映画の感想を聞いたところ、だいたい「やや誇張気味」と、「そのとおり」の2つにわかれるようでした。少なくとも事実であることは確かなようです。グローバル派のワインは、天候に左右されることなく同品質のワインを造ることができ、飲んですぐに「おいしい」とわかる、万人受けする味。いわばスピードや効率を求める現代社会に合わせたワイン。一方、テロワール派のワインは、味が天候に左右されるためリスクは高いが、土地や作り手の個性が反映される個性的な味わい。万人が好む味ではないし、時間をかけてやっと理解できる味であることもあります。しかしだからこその面白さや深みが。これは、ワインに限らないこと。一杯のワインから現代社会が見えてくるとても興味深い作品です。 ■食はあらゆるものにつながる ただ、この作品は地元の人のインタビューを中心に構成されているせいか、映画だけでは少しわかりにくいところがあります。合わせて公式ホームページの情報を参考にすると、より理解がすすみます。また、数多くの賞を受賞し、高い評価を受ける一方で、事実に誇張があるとの指摘もあるようです。この作品に限らず、ドキュメンタリーには、製作者の主観が入ることも念頭に置きつつ、見ることも必要でしょう。 たった一匹の魚で崩れてしまうほどの生態系の危うさ、そして食が、社会や生活に深くつながっているということが、厳しいまでにリアルに伝わってくる作品です。
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